マーキングフィルムを貼る時の注意点について

桜井株式会社
サイングラフィック販売推進部 宮本 啓



 サイン・ディスプレイ用途に使用されるマーキングフィルムについて、よくご質問いただくのが、その貼り方や貼った後の被着体との相性についてです。
「屋外長期用のフィルムと聞いていたが、1ヶ月も経たずに、剥がれやふくれ5発生した」「再剥離の粘着フィルムと聞いていたが、剥がれにくく、糊が被着体の表面に残って処理が大変だった」など、詳しくお話をお聞きしてみるとそれなりの理由が存在するケースが多くあります。 そこで、今回は粘着フィルムを貼る場合の留意点、注意点についてご紹介します。

粘着フィルムを貼る時に注意すべき点は大きく分類して3つあります。


  貼る前に被着体表面の準備

 粘着フィルムの粘着剤にはいろいろな種類と特徴があることは前回お話しましたが、いくら種類を選定しても、被着体の状態によっては、その性能を大きく損なうケースがあります。 それは、以下のような場合です。

被着体の表面に細かい穴が開いていたり、凸凹がある場合
 凸凹のある素材が下地となる場合、被着体との接触面積が見た目よりも少なくなります。 この場合、ゴム系粘着材を使用したり、粘着層の厚みを持たせることにより粘着性能を適合させる必要があります。 又、被着体をポリエステルパテ等で穴埋めして平滑にすることにより、容易に貼れるようになります。

表面に付着物や汚れがある場合
 下地はほこりや油脂成分など付着物を落としてから貼ることが必要です。 車両に貼る場合によくあるケースですが、綺麗に磨き上げられているように見えても、シリコン材(汚れ防止材)やワックスが塗布されていると剥がれの原因となる場合があります。 このような場合は下地をホワイトガソリン等で拭き取ってください。


  貼る時の状態と環境

貼る環境について
  もっとも影響が大きいのは温度です。 粘着剤は温度によって、流動性が異なります。 Viewcal900という弊社の粘着フィルムの場合は低温接着性能があり、5℃の環境での施工が可能ですが、一般的には10℃以上が望ましいでしょう。 仕上げにドライヤーで暖めると粘着の効果が促進されます。

現場施工時の注意点
 屋外で貼る場合、風によってほこりなどが粘着面についてしまうと、性能が低下します。 より、貼りやすい環境(スペースなども含め)を準備することが貼り施工をきれいに仕上げる秘訣です。


  各種下地材の施工適正

 粘着フィルムの貼り施工は、準備と被着体の確認をきちんと行うことでそのトラブルを減らすことが出来ます。 各メーカーでスキージ(貼るためのヘラのようなもの)も用意されているので、気軽に問い合わせてみてください。
※下記対応表をご覧下さい



アクリル系粘着剤に対する各種下地剤の施工適正(弊社の場合はViewcal900)

被着体
施 工
備 考
金属
亜鉛メッキ鉄板
 
ボンデ鋼板
 
焼き付け塗装板
 
アルミニウム
 
ステンレススチール
屋外に貼付した場合、条件によって劣化する可能性があります。
プラスティック
PP・PE・フッ素
十分な粘着力が得られない場合があります。
ABS
 
PET
 
FRP
 
アクリル樹脂
 
ポリカーボネート
アウトガス発生のため、膨れが生じる場合があります。
塩ビ
可塑剤、遊離成分などが含まれていますので、
浮き・はがれなどが生じる場合があります。
テント地
ガラス
一般
全面貼りの場合、熱割れ(ガラスの)が発生する可能性があります。
網入り
その他
コンクリート
全面貼りの場合、熱割れ(ガラスの)が発生する可能性があります。
モルタル
スレート
ベニヤ板


参考文献@@2008年3月発行 i-window MORE(ローランドディー.ジー.株式会社